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『ナショナルアンセム』
 大阪の心斎橋にあるカフェ裏CO2にて鑑賞。
 噂どおりの凄い出来栄え。黒沢清を影響を組みつつも、映画そのもののテンションが得体の知れない相貌に高まっている。映画の前半、姉妹のうち精神のバランスを崩し気味の妹の目が世界の異変に気づく。
 狂っているのは妹の方か、それとも世界の方か。という具合に、妹の目を通して世界の歪さが露になってゆくのかしら・・・と思っていたら、連続発砲事件、刑事の捜査、教師の殺人というふうにジグソーパズルのピースが複雑に絡み合いながら世界の破綻が示され、最後には教師『ドレミファ娘の血は騒ぐ』のごとく個人の、それも女性の闘争映画へと軽やかにシフトする。『ナショナルアンセム』は、私達の見慣れたこの世界に亀裂を生じさせ、全く違う局面へと誘う闘争そのものの映画である。私達もボンヤリはとしていられない。よく考えてみろ。そして気づけ、世界の危うさに。と『ナショナルアンセム』は観る者に囁きかける。

 ふいに『ドクトルマブゼ』(F・ラング)のラストでマブゼ博士が人質を取ってたてこもる場面が思い出される。投降を呼びかける警察に対して、マブゼ博士が「私は国家である」と宣言するのであった。日本語の字幕ではそのあたりがちゃんと表現できていない、と高橋洋氏がプラネットシアターでトークショーをしたときに仰っていた。

 それはさておき、映画自体が素晴らしいので、「素晴らしい」と言うしかないのだが、それでも一寸だけ個人的に腑に落ちない点を書き連ねてみる。不発弾の発見に端を発し、戦時中の日本軍の怪しげな開発が研究所から漏れ出し、それに当たった人間が狂いだすという設定がなされていたように思う。世界が崩壊するのに明瞭な原因が特定できてしまうのが、個人的には物足りなさを一寸感じた。ワケもなく世界が壊れてゆく方がもっと恐ろしく感じられるのではないか。なんの説明もなしに、突如、自動車の後部座席に現れた少年の幽霊の方がよっぽど恐ろしい。いや、ほとんどこじつけで言ってることを自覚していますが・・・。

テーマ:西尾孔志 - ジャンル:映画

【2006/11/10 10:39 】 | 映画監督 西尾孔志 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
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