スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
【--/--/-- --:-- 】 | スポンサー広告 | page top↑
長回しについて、あまり私は知っていないけど、2、3の事柄
 映画史上、長回しを発明したのはどこの誰か。まず真っ先にテオ・アンゲロプロスの名前が思い浮かぶ。昨年末にナナゲイで『旅芸人の記録』を見直しましたのですが、改めて凄さに圧倒されました。劇中人物が歩いているうちに、カットを割らずに時空を超えて別の年代に飛ぶということをやったのは、恐らくアンゲロプロスが史上初ではないでしょうか。
 長回しの面白さのひとつには、カメラのフレームの外側の空間で、事態が刻々と変化してゆくことにあると思われます。軍隊と群集がカメラの外の空間の右から左から出たり入ったりして、目の前で展開されている事の推移に目が奪われます。「私がスクリーンで観ているのは、世界のホンの一部分に過ぎない」、ということを思い知らされます。
 黒沢清監督が『復讐 消えない傷跡』の冒頭の銃撃シーンや、『歓びの渦巻き』『勝手にしやがれ 英雄計画』で真似したくなるのも頷けるというものです。

 他にも長回しの使い手は、近年に限って挙げると、ジャ・ジャンクー、ホン・サンス、ツアイ・ミンリャン、アッバス・キアロスタミの名前が思い浮かびます。
 最初に挙げた3人は固定カメラでじっくりと男女の成り行きを捉えています。
 特にホン・サンスの場合は、固定カメラの長回しのうちに、男女の力関係が変化する様が面白いと思われます。『気まぐれな唇』で男女が占い師に見てもらってるうちに男(キム・サンギョン)が落ち込んでゆき、女(チュ・サンミ)が元気になっていったり、、『オー!スジョン』で男性が女性の名前を言い間違えて、一気に形成が逆転したり・・・

 むむぅ、名前が思いつくのはアジア圏とヨーロッパの監督さんばかりです。ヒッチコックの『ロープ』も長回しですが、あれは固定カメラじゃないし。
 「アメリカ映画こそ、グリフィスこそ最高である」と仰っるライリー警部さんは、ひょっとして長回しが肌に合わなかったりするのかしら?・・・などと勝手に考えたりもします。
 ややっ、大変なことを思い出しました。『工場の出口』は固定カメラで工場の出口を撮影しているだけではありませんか。もしやあれこそ史上初の長回しなのか。しかもリミュエールはフランス人だ。映画は生誕したときから長回しであり、非アメリカ圏に縁があったのかしら。

 さて安藤尋監督の『僕は妹に恋をする』(やっと名前が出ました)ですが、『blue』よりもさらに極端な長回しでした。『blue』では長回しの画面の中にも、様々な物理的な変化が生起していたように覚えています(海辺で吹く風や、少しずつ日が昇る水平線など・・・)。
 が、『僕は妹に恋をする』でのとの役者の微細な心情の変化をカメラで執拗に捉え続けます。安藤監督は役者のフォルムそのものの高みに導こうとしています。さらに安藤監督のフォルムへのこだわりは、人物だけでなく、極端に薄暗い学校の校舎、廊下、カーテンなどの物質的な造形物にも向けられているようにも思います。
 しかしアイドル俳優に多大な負担をかけて大丈夫だったのでしょうか。カット数を増やし、演出の力でもって松本潤と榮倉奈々の演技をもっと援護することもできるはずですが、そうはしていません。時代錯誤と言われようと、やると決めたらなんとしてもやる、という安藤尋監督の強い意志が感じられます。

 ここまで書いてきてエドワード・ヤンの名前を急に思い出しました。あの監督さんは役者のリハーサルを何十回も重ねて、演技をつめてから本番に臨むと聞いたことあります。
 乏しい知識でダラダラと書いてしまいました。長くなってきたので、この辺りで止めます。

テーマ:なんとなく映画 - ジャンル:映画

【2007/04/03 23:45 】 | 日記 | コメント(3) | トラックバック(2) | page top↑
<<韓流サロンVOL.31 告知 | ホーム | 映画侠区Vol.7 お知らせ>>
コメント
--いやそんなことは、--
いや、『残菊物語』を見ればどこで息をしていいのか分かりませんし、『ションベン・ライダー』を見れば、「ひぇぇぇぇぇ許してください」と泣くしかないし、第一、加藤泰が日本の映画作家では、誰よりも好きでして、伊藤大輔~加藤泰~鈴木則文っていうラインをもっともっとよくよく知りたいと思っている私は、撮影時間短縮のための加藤泰の長廻しの凄いことを知っていますし、ああ本当に『瞼の母』は素晴しいなあ、けどストローブ・ユイレの『エンペドクレスの死』も延々待って待って、そよ風が吹いて木が揺れるのを見るのが大好きなのでして、長廻しは嫌いではありません。

ただ、溝口にせよ相米にせよ、長廻しというのは、クレーンの名手の必殺技でして、ならばグリフィスのクロス・カットだって必殺技です。

今、DV使ってフィルム使わず予算も要らず楽々撮れますから、インディペンデント映画の人たちなどは特に長く長く廻したがるわけですが、溝口の映画を見てから覚悟しなさいよ、あなたこんなこと出来るんですね?こんな風に役者を撮れるのですね?こんな風にクレーンを動かせるんですね?この技術、持っているのですか?そう問いたいのです。

グリフィスの作り出した技術を当たり前に思って、その起源を知らない映画製作者達は、グリフィスのことなんて気にもかけずに何てことなく編集していくわけですが、ここでもグリフィスの技術に追いついているのですか?『嵐の孤児』に敵いますか?と問いを発したいと思います。

映画の演出とか撮影とか、これだってのは確かになくて、細かいカット割りでも長廻しでも良いですが、重要なのはまずは技術だと思っています。技術というのはもちろん演出も含めたものですが、ということはそのほとんどの技術はグリフィスに負っている以上、グリフィスは映画の中で最高の人だと考えているのです。

ただ私が一番好きなのはジョン・フォードですけども。
by:ライリー警部 | URL | #-【2007/04/04 00:39】 [ 編集] | page top↑
--追加--
そうそう、ブニュエルの『賭博師の娘』でしたか、扉を開けたら娘が成長していたというのがあったと思います。ノーカットで一気にオトナになったような気がします。
by:ライリー警部 | URL | #-【2007/04/04 00:42】 [ 編集] | page top↑
--アクションシーンの長回し--
 昨年に池袋の文芸座で日活ロマンポルノの『白い指の戯れ』(村川透)を観ました。空間の使い方が素晴らしい傑作でした。浴室でのドンちゃん騒ぎの場面も好き。
 長回しと聞いて、『最も危険な遊戯』『処刑遊戯』での松田優作のカットを割らないアクションシーンをことをふと思い出しました。松田優作が廊下を進んでいくと、物陰から敵が一人づつ現れて、松田優作に倒されてゆくのです。子供の頃にテレビで観てゾクゾクした記憶があります。映画館で観直したら、やっぱり興奮してしまいました。
 去年は『ブレイキング・ニュース』の冒頭の長回しに酔いましたね。
by:カワゴン氏 | URL | #-【2007/04/04 23:54】 [ 編集] | page top↑
コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
「松本潤の画像」の情報
「松本潤の画像」の情報ならおまかせ! 「松本潤の画像」の情報ならおまかせ!【2007/04/04 07:21】
バンビ~ノ!
バンビ~ノ! テレビドラマ 松本潤 バンビ~ノ!【2007/04/05 18:15】
| ホーム |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。