スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
【--/--/-- --:-- 】 | スポンサー広告 | page top↑
『ヒアアフター』 クリント・イーストウッド監督
ストレートな人間賛歌、と受け止めました。
hereafter.jpg『ヒアアフター』を観て感動。霊能力モノですか? もはや何を撮っても傑作になってしまう状態のクリン・トイーストウッド監督の最新作。実に堂々たる風格を持った映画です。何なのでしょう、男と女と子供があれば映画はできあがる!みたいな、堂々とした映画は。”霊能力などインチキだ”と言い出す人が居なかったり、霊界から呼び出された人間が、性格の良い人が基本的だったりするのがちょっと物足りない気もしますが、『グラントリノ』や『インビクタス』よりも琴線に触れたのでありました。

 噂には聞いていましたが、冒頭の東南アジアので大津波の場面でのパノラマチックな光景は凄い。内陸に逃げようとする散り散りの群衆をパンしながら俯瞰で捉えているのですが、群衆が波に飲み込まれる場面をちゃんと撮っている。かつての円谷英二の特撮でも津波が出てくることが多かったですが(『地球防衛軍』とか)、CGが進歩するとこうなるのか、と感動しました。

イーストウッドの今まで映画は集団活劇みたいな感じもしましたが、『ヒアアフター』は、1対1で向き合う人間の凄味に重きを置いているように思えました。霊能力者のマット・ディモンは、あの世にコネクトする際、相手の手を取って向き合います。
 またイタリア料理の教室でも人同士を向き合わせています。今時、男女が顔を接近させて向き合う場面を撮るにはどうすれば良いか・・・目隠ししながら食材を当てるということをさせます。スプーンで相手の口に食べ物を入れてあげる、という行為が、どうもエロチックな仕草に見えて仕方ない。実際、大きく口を開けて食べ物を入れてもらうダラス・ハワードは、男性の愛情を求めているような感じだ。

『ヒアアフター』は津波に始まり、男女が抱き合うことによって終わります。『ヒアアフター』のラスト、母親と息子(弟)が部屋の中で向き合って抱き合います。カットが変わり引き画になりますが、これは死んだもう一人の息子(兄)が母・息子を見守る視点なのでしょう。
 抱き合うといっても、母親と息子なのでドラマの成り行きとして自然に起こることなのでしょうけど、マット・ディモンとセシル・ドゥ・フランスの抱き合い方は、祝福すべき突発的事態という感じで、観る者を躊躇させもします。予知夢のようなキスシーンが描かれています。マット・ディモンも予知能力?それとも本人の願望が頭をよぎったのか?いままで霊界と交信してばかりいて厭世感にも陥っていたマット・ディモンが、ようやく現実に希望を見つけたということでしょうか。
 全然関係ないけど『タレンタイム』のラストでマレーシアと華僑の男子学生が、突然立ち上がって抱き合うラストシーンは胸を打ちましたね。

「あの世のことは分からない」とクリント・イーストウッドさんは仰いますが、この映画をみていると「現世はどうなるか分からない」と私には思えてきます。セシル・ドゥ・フランスはお土産を買いに行かなければ、津波に巻き込まれることもなかったでしょう。また双子の兄の方は薬局からの帰り道の場面。不良少年達がこちらを見ているショットが挿入されます。あぁ何か嫌な感じ、そっち行っちゃ駄目、と思って観ていたら、そっちに行ってしまい不幸なことになるという。
 ちょっとしたボタンの掛け違いで、人生は違った方向に行く。その人の人生が狂うこともある。兄が亡くなり、そして母親はクスリを断つことができた。霊能力に蝕まれそうになったけど、運命の女性に出会うことが出来た(恐らく女性キャスターとプロデューサの間には隙間風が吹きつつあり、今後彼らの関係がより発展するこもなさそうですし)。
悲惨な目にあって人生狂っても、そこから何かがまた起こる。『ミスティックリバー』にしても『チェンジリング』にしても、ホントにこの終わり方で良いのか、と困惑する部分もありましたが、『ヒアアフター』はストレートな人間賛歌と思えたのですが、私は単純でしょうか。

 あと、帽子が風でフワッと飛ばされる瞬間は良かったですね。

テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

【2011/03/08 23:29 】 | アメリカ映画 | コメント(2) | トラックバック(1) | page top↑
<<『ソウル・フラワー・トレイン』西尾孔志監督 | ホーム | 『4枚目の似顔絵』チョン・モンホン監督>>
コメント
--承認待ちコメント--
このコメントは管理者の承認待ちです
by: | | #【2011/12/08 00:06】 [ 編集] | page top↑
--承認待ちコメント--
このコメントは管理者の承認待ちです
by: | | #【2013/05/12 13:34】 [ 編集] | page top↑
コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
No695『ヒアアフター』~寡黙さから滲む苦悩の闇と、再生に向かう希望の光~
カタカナのタイトルよりも 邦訳として『再生の約束』(ジョージとマーカス、あるいは、マーカスと兄との約束)とか 『再生の夜明け』というのはどうだろう。 死者の声を聞くことができる霊能者のジョージ。 その声を伝える場面で、 一瞬、向こう側の世界の映像が映るが、... パラパラ映画手帖【2011/03/11 02:50】
| ホーム |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。