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『ふゆの獣』 内田伸輝監督
カット割りの多い神代辰巳、みたいな
huyunokemono.jpg評判の高い『ふゆの獣』を観賞。
これはホントに映画なのでしょうかか?、それとも役者が芝居をしているのを撮っているだけなのか、と戸惑って最初は観ていました。でもどんどん映画になってゆくのです。特にユカコとシゲさんが、互いの部屋のスペアキーを返す・返さないのくだりから、あの狭い部屋の空間で、”ユカコ”さん(加藤めぐみ)と”シゲ”さん(佐藤博行)を交互に正面から捉えたショットを挟むあたりから、あぁ映画が始まったという感じがして入っていけました。
 出てくる舞台は、ワンルームマンションの一室と、地下通路と、ビルの屋上だけで映画を撮れてしまう、ってしまうという。撮影と音響の技術的には、先のCO2の作品に比べて落ちるんですが、全然面白いです。あの荒々しいズームアップとかね。わざとやってるんでしょうけど。技術の荒っぽさが、かえって役者の生っぽさを生かしているような感じもします。

 役者が素晴らしいです。自然な演技というのではなく、ちゃんと作り込んだお芝居で見せきっています。とにかく”シゲ”さんが最高。香港映画のルイス・クーを思わせるワイルドな風貌をしていて、それでいて、すっとボケた感じがして最高。よく見たら”シゲ”さんの部屋は本棚の上に洗剤と柔軟剤のレノアが置いてあったりして、かなり生活感丸出しです。
”ユカコ”さんは日本一ペットボトルの似合う女優。お茶をラッパ飲みでぐびぐび飲んだり、飲料水とタオルで全身をぬぐい始めたりする姿が最高です(しかし何でビルの屋上でそんなことを?)。厚い唇が情のあつさを感じさせますねぇ。”サエコ”さん(前川桃子)のおっとりした感じもよいし、何と言っても”ノボル”さん(高木公介)の、いかにも周りが見えてません、という直情ぶりが素晴らしい。

 マンションの一室、地下通路、ビルの屋上と狭苦しい場所で映画が進みながら、最後には思いっきり開放的な空間に行くのが良いです。”シゲ”さんが、マンションの窓を開けて垣根を乗り越える瞬間が盛り上がります。さまよいながら走る”ユカコ”さんもカッコいいです。
 何か題材的に、役者への迫り方などに、神代辰巳の映画を彷彿とさせますが、長回しを一切しないところが素晴らしい。全体的なショット、役者の顔面のショットなど、つぎつぎとショットが切り替わって行く。聞けば、2台のカメラを用いて、同じ場面を何回に別けて撮影したらしい。大変な撮影だったろうなぁ、偉いなぁ、と思います。
 音響は生活音を多く取り入れています。その分、踏切の音のカランカランという音がちょっとわざとらしい気もしたかな。

テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

【2011/03/06 22:19 】 | 自主映画 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
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