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『花つみ日記』 石田民三監督
日本映画の範疇を超えています!
hanatumi.jpg『花つみ日記』を大阪シネマフェスティバルで観賞。石田民三監督の映画を初めて観た。何だこれは、ヨーロッパ映画のようだった。大変素晴らしく感動致しました。心温まる友情物語とかいう生易しい感じではなく、かなり悲痛なものがあると感じた。
 コントラストの強い画調が印象的でした。”影”の演出が凄かったです。カール・ドライヤー級の影の使い手とみた!。何故かちょっと、教会とか十字架も出てくるし。大阪城はまるで墓標のように、栄子さん(高峰秀子)とミツルさん(清水美佐子)の背後に写っていたなぁ。どこからどこまでが自然光なのか判然としませんが、一体どれだけ斜めから光線を当てているのだろう?と思いました。

~影絵のようだ~
 映画の冒頭、水飲み場で女の子が顔を押し付けられて、水がかかってその後ふざけて走る場面があるのですが、校舎の壁に彼女たちの姿が影絵のように焼き付いていて、その影が舞い踊っているかのようであった。路地、ピアノ教室、校舎の片隅など、至る所に濃い影が画面に焼き付いている。栄子さん(高峰秀子)とミツルさん(清水美佐子)が仲違いした後、高峰秀子が物思いにふけっている場面がありますが、彼女の前に植物状のものが濃い影を落としている。
 前半部は夏の強い日差しを感じさせますが、後半部は冬の場面になるので、影の濃さはやや薄くなりますが、女子学生の制服が色の黒い冬服になり、彼女たち姿が影のようにフィルムに定着する!
 影だけではなく、光の反射も凄くて、バスの中でミツルちゃんを見つめる栄子ちゃんの見た目のショットでは、バスの窓枠がキラキラと反射している。また後半では栄子さんがのおもちゃの指輪の反射がキラりと光る。
 私は石田民三監督のことを全然知りませんが、恐らく光と影への感性が鋭かった人なのではないか、と想像します。いや、一作だけで決めつけてはいけませんが。

~絶対に切り返さない~
 栄子さんとミツルさんの二人の女子中学生が主人公。彼女たちをカメラで捉えるとき、構図、逆構図の切り返しは絶対にしていません。必ず二人が画面に収められており、そのため人物を撮るとき、引き気味のショットが多いです。
 ややもすると醒めた感じになりそうですが、要所要所で微妙にカメラが移動するので、余韻が残るようになっている。
 栄子さんがミツルさんを自宅に初めて招き入れる場面。ある部屋では芸子さん達が太鼓の練習をしていて、また隣の部屋では芸子さん達が踊りの練習をしている。栄子さんがミツルさんの動きに合わせて、カメラが部屋から部屋へパンする。あ、そこはワンショットでやっちゃんだ、と観ていて嬉しくなりました。

~歌が良い~
『花つみ日記』は歌が良いよですねぇ。冒頭の校庭を庭でお掃除している場面の歌声。ピアノの先生が歌っているとき、教室の外に集まった女子学生たちの声の方がどんどん大きくなってゆく場面。ここでのグルーブ感が凄い。
 或いは栄ちゃん(高峰秀子)が電車の中で歌って、別の場所でミツルちゃんがハイキング中に歌って、彼女たちが互いにカットバックされて合唱のようになっていく場面が凄い。歌のドライブ感が凄いです。

 栄子さんは女友達から絶交されたら、退学して芸子になったり、その女友達と再開したら病気に伏せる、という大変ドラマチックな破滅型の人生を若くして送っています。床に伏せる高峰秀子が『浮雲』と重なって感慨深い。
 しかし高峰秀子の日本語の発語の美しさは尋常ではない。15歳の女の子が、あんな綺麗な喋り方ができるなんて。高峰秀子を見たら、AKB48とか武井咲とか別に何とも思えなくなります。

テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

【2011/03/05 20:53 】 | 日本映画 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
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