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『事件』 野村芳太郎
jiken.jpgえげつない言葉責め!

どうも野村芳太郎の映画はヤバいと以前から思っていた。『震える舌』とか『八ツ墓村』を新世界公楽劇場で観たことがあって、ホントに震え上がりました。題材からは考えられないくらい、必要以上にヤバい、コワい映画でありました。
テレビでしか観たことがないのですが『疑惑』という優れた裁判映画もありました。弁護士役の岩下志麻が裁判の過程で、真相の秘密を暴いていく過程の描写に、強く引き付けられたことを覚えています。岩下志麻と桃井かおりの粘着的な女優対決に見ごたえがありました。「燃えろ女の野望」ってビデオのパッケージに書いてあったけな。
野村芳太郎の映画はまだまだ全然観ていないのだけれども、あの粘着質な描写力は何なんでしょうね。昭和的なオカルトがちょっと混じっているような。普通の題材でも野村芳太郎が撮ると何かヘンな感じがする。

で『疑惑』よりも、数年前に撮られた『事件』という映画を観ました。永島敏行が松坂慶子を殺害した容疑で捕まり、裁判が始まります。松坂慶子と大竹しのぶの姉妹が、永島敏行を奪い合った過去があるという設定です。
裁判映画なのですが、『疑惑』とは違って、弁護士が、裁判所に証人として呼ばれた人物を責めたててゆくのがこの映画の真骨頂だ。
検事が芦田伸介で、被告側の弁護士が丹波哲郎。丹波哲郎が、証言台に立った渡瀬恒彦、西村晃、森繁久彌をぐいぐい苛烈な言葉を浴びせかける。ちょっとでも彼らに動揺が見受けられたら、そこを糸口として、どんどん責めたてる。粘着的な言葉責めだ。言葉の暴力だ。で、うろたえる証人たちの剥き出しの姿を野村芳太郎は描写してゆく。
”真相の究明”ならなんでもしてよいのか。個人の秘密を暴いている、という感じすらします。裁判長役の佐分利信は事の成り行きを見守るだけで、何もしないという・・・。

大竹しのぶは絶品です。この時期が全盛期です(多分)。現在の、長澤まさみや石原さとみよりも、本作での大竹しのぶの方が、はるかにかわゆいし素晴らしいです。観ていてメロメロです。大竹しのぶも、弁護士の法廷での言葉責めの犠牲者になるのですが・・・

大竹しのぶ「妊娠が分かってから、彼(永島敏行)とはアレをしてないですし・・・」
弁護士  「アレとは何だ、はっきり言いなさい!」
大竹しのぶ「セックスですぅ~(号泣しながら)」
あぁもうこのやり取りがたまらんわ。裁判長、もうやめたりぃな、と言いたくなります。

映画が後半に進むにつれ濃厚なメロドラマになってくるのですよ。
永島と松坂の二人乗りの自転車のあとを、画面奥から自転車に乗って後をつける場面の素晴らしさ。
松坂慶子のヤサグレっぷりも素晴らしいし、何よりも彼女に粘着的なものを感じる。義父に犯されて実家を飛び出したけど、東京に行っても上手くいかず、渡瀬恒彦とも上手くいかず、故郷に戻っても上手くいかず、永島青年と恋に落ちて人生を挽回しようとしたのに上手くいかず・・・。
自らナイフに刺されにいった松坂慶子の泣きそうな表情に、観ているこちらも胸が熱くなりました。ちょっと観ていて私も涙が出てきました。

当初は気の荒いヤクザにみえた渡瀬恒彦も、何だか最後はカラッとした良いお兄ちゃんになっているしね。渡瀬恒彦は最初から事の顛末を何もかも知っていたのです。法廷で見せた乱暴な態度は、男と女の揉め事に裁判所や弁護士が口を挟むんじゃねぇ、というは彼なりの反抗だったのでしょうね。

あっと言う間の2時間20分でした。

テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

【2010/11/14 23:07 】 | 日本映画 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
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