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『離さないで』(福井早野香監督) ~桃まつり present うそ~ にて
hanasanaide.jpg 福井早野香さんの第一回監督作品『そこへ行く』は、観ていてハラハラする素晴らいものでした。『離さないで』が第二回目となるそうです。
 大変、力のこもった作品でした。時間をかけて作りこんでいる感じです。

 女流作家の未知子(奥田恵梨華さん)は近々結婚しようとしています。
 未知子の旦那さんの高雄(野村修一さん)は、高校時代の過去に恋人を殺しています。彼は罪の意識に苦しむのですが、未知子はそんな高雄を積極的に助けようとはしません。
 未知子の作家としての探究心が抑えきれずに、旦那さんを見守りつつ、高雄の気を惹くように仕向けつつ、亮子(『赤猫』や『姉ちゃん、ホトホト様の子を使う』の森田亜紀さんだ)に言われるまま、小説にして世間に発表してしまいます。未知子さんは、ちょっと倒錯的な感じです。昆虫観察をしているような感覚なのでしょうか?

 映画が進むにつれ、映画のベクトルが過去に向かってゆきます。劇中人物も場所をワープして、過去と現在が混同してゆき、死んだはずの女子高生(『代理人会議』や『バーカウンターの女』の神谷彩乃さんだ)が未知子と高雄の前に姿を現したりもします。

 個人的な感覚ですが、高校時代の過去の”謎解き”に映画の重心が置かれているように思えました。このあたりの展開が、ちょっと火曜サスペンス劇場的な感じがしたかな。例えば、ありふれたサスペンス映画であれば、旦那と妻の間に、殺るかや殺られるかの緊張関係が出てきたり、入院生活の森田亜紀が土壇場で逆襲に転じたり、もっとハラハラドキドキの展開になるのですが、そうはしない、と。

 『離さないで』は映画全体の感じが、怪しげな論理に従って、劇中人物が動いているように思います。特に、未知子の行動は、彼女の内面に潜む欲望からきているものでしょうか。夫への愛情と、女友達への嫉妬、作家的資質が突き動かす探究心。これらのバランスの上にギリギリ成り立っている女性なのでしょう。
 とすると、もっと未知子のヤバさ、あやうさが映画の全面に出てきてもよいように思うのですが、結構かわいい女性に見えました。
 映画のラストで車椅子を押す、未知子は愛情に溢れた人のようにも見えてきそうです。まだまだ私も人生経験が薄いのでしょうか。そっと手をやる旦那さんも、幸せそうだし。収まるところに収まった、感じがします。

 過去と現在の時間軸が、東京都と田舎の空間的距離が、本作ではごちゃごちゃに提示されます。世界の乱れ方が、未知子を浸食してゆくのです。
 ぶっ飛んだことを言えば、過去と現在を混在させるより、むしろ未知子の思い描く小説の世界と現実が混同するような展開にしちゃったらどんな映画になったでしょうか。
 全然関係ないけど、ダリオ・アルジェントの『スタンダール・シンドローム』という映画は、現実が絵画の中の世界と混同するという、凄い映画でした。

P.S.
シネドライブ2010と合わせて、3回『離さないで』を観たのですが、なかなか感想を上手く言えません。あぅぅっ。

テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

【2010/05/30 23:59 】 | 自主映画 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
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