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『黄金花 ―秘すれば花、死すれば蝶―』
ougonka『黄金花』は痛ましい映画でした。植物学者の原田芳雄は、”黄金花”という花を探し求めています。劇中、原田芳雄がその黄金花に遭遇して心を奪われます。黄金花というのは、幻の不老不死の花との設定です・・・”黄金花”=”シネマ”という、あからさまな比喩と思われました。

ひとたびフィルムに取り込まれたら、時間が止まり普遍的に輝き続けるもの。朽ち果てることなく、永遠に観る者の目を虜にし続けるもの、それはシネマである、ということなのでしょう。丹下作善に扮した大河内伝次郎と、彼に寄り添う女優のブロマイドが画面に何度か登場するのが象徴的です。

シネマの世界の住人であった、かつてのスター俳優(三條美紀、長門弘之、松原智恵子、野呂圭介などなど)が年老いて、老人ホームに集まって暮らしているという。彼らに残された時間は僅かです。ある者は過去の想い出を捏造し、ある者は過去を悔いて生きています。この設定だけでも痛切な感じがしてきます。

占い師の老人(飯島大介)の死を端緒に、原田芳雄は幻想の世界に足を踏み入れます。舞台ステージのようなセットで幻想的な場面が展開されます。が、夢のように素敵な世界ではありません。戦争体験や過去の貧困の時代が前面に出されるということになります。日活で渡哲也や赤木圭一郎主演の娯楽映画を量産していた美術監督でも、最後にはそうなるのか。

90歳にて挑んだ初監督作品にて、過去の戦争体験を現出させようという試みは、やっぱり観ていて心が痛みます。やはりあの年代の人達の心の深層には戦争体験が、こちらの想像以上に深く刺さっているのでしょうか。
岡本喜八監督は、たびたび、戦争を娯楽映画に導入していたことが思い起こされます。

テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

【2010/06/28 22:53 】 | 日本映画 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
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