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『影の軍団 服部半蔵』
  kagenogunndan

 『影の軍団 服部半蔵』との出会いは今から10年以上も前に遡ります。
 当時私は二十歳の大学生でした。近所のレンタルビデオ屋に、その『影の軍団 服部半蔵』が置いてありました。ビデオのパッケージに映っていた、プロテクターを身にまとった忍者の姿がとてもカッコよく、心がときめきました。
 アメフトをモチーフにした忍者アクション、というのが宣伝文句でした。きっと新感覚のアクション映画が観れるに違い、とワクワクしながらビデオを借りて観たのですが・・・「何だこりゃ?」というのが当時の感想でした。
 アメフトの肉弾戦になぞらえたアクションシーンがこの映画の大きな見せ場なのですが、その集団アクションの場面は、映画の中盤にたった一度きり行われるだけなのです。ラストで渡瀬恒彦が敵ボスの緒方拳を倒しても、建物が崩れるどさくさに紛れて斬り殺したという感じがして、何のカタルシスも生じない。
 そのかわり、親兄弟の愛憎劇に焦点を当てた人間ドラマが展開されるのです。肩透かしをくらったような気分になりました。逆光の気味のショットや望遠ショットなど、工藤栄一監督のこだわりは良く分かりましたが。

 今回、久々に改めて見直したのですが、色々と感じ入るものがありました。要するに『影の軍団 服部半蔵』は身内の生存をかけたギリギリの家族映画なのです。渡瀬恒彦は忍者一味の親玉です。身内を束ねる家族の長です。その家族は絶えず迫害を受けていて、江戸の街で逃げ隠れながら生き延びなければならない。

 忍者アクションがこの映画の本質ではない。一族の子孫を未来に残せるか、というテーマが『影の軍団 服部半蔵』には潜んでいます。徳川家の安泰を図るために、将軍の御世継ぎは何としても守らなければならない。服部半蔵たちも子孫を残さなければならない。渡瀬恒彦の子を身籠る森下愛子が痛々しいです。

 ラストの対決の場面。渡瀬恒彦は江戸城の一角に立てこもる敵の甲賀忍者と対決します。正面からわたり合っては不利だ、ということで決戦当日よりも前から、仲間(蟹江敬三だ!)を江戸城に侵入させます。蟹江敬三は建物を破壊する工作に(ノコギリをギコギコと柱にひいて)精を出します。
 危険と背中合わせになりながら、蟹江敬三はこんな手の込んだことを、どうしてわざわざする必要があるのか?・・・ずっと長年の疑問でした。そりゃまぁ、建物が崩れたら、絵的には面白いだろうけど。

 甲賀忍者が全滅させた渡瀬恒彦は、建物が崩壊するさなか、将軍家の御世継ぎを救出します。何かを生み出すために、何かを著しく破壊すること。建物がガラガラと崩れ落ち、子供が救い出される光景に”出産”のイメージを見てしまうのです。

 敵に勝利した代わりに、服部家の身内の忍者を全て死なせてしまいます。渡瀬恒彦は最後にたった一人になります。彼はこれからどうやって生きてゆくのでしょうか?

テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

【2010/06/13 23:50 】 | 日本映画 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
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