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『沓掛時次郎 遊侠一匹』
kutukake大阪シネヌーヴォでの美術監督”井川徳道”の特集上映にて鑑賞。フィルムの状態は絵も音も良好でした。
一心太助の頃に比べて少し険の入った表情の中村錦之助、幸薄そうな池内淳子、肝っ玉姉ちゃんの三原葉子が絶品です。
映画は後半、悲劇に向かって突っ走ってゆきます。前半での渥美清のコメディリリーフぶりが非常に楽しいため、ますます後半の悲劇がより引き立ってくるようになっています。

映画全体に、赤い色が目につくようになっています。斬られるヤクザの血、吐血する池内淳子の血、机の花瓶に挿された赤い花、内職する池内淳子が塗る赤い人形、宿屋に置かれた作りかけの赤いダルマ人形・・・などなど。

この映画をスクリーンで鑑賞するのは2回目or3回目になりますが、毎回新しい発見があるものです。今回気になったのは、人物の背景に”青空”が写っているショットが多いということです。冒頭、旅カラスの中村錦之助と渥美清が画面の奥から手前に向かって歩いてきます。渥美清は自分の仁義の口上が中村錦之助アニキに比べて恰好悪いとか何とか言いながら、実に微笑ましい光景が繰り広げられます。

この場面において中村錦之助と渥美清の背後に青空が広がっており、平面的な画作りになっています。よくみると、立体的な画面から、一転して、平面的な画面に変わるというパターンが2回ほどあるように思えました。

船上で池内淳子が柿を配る場面。名高い場面ですが、画面手前に中村錦之助が居て、背後に池内淳子、さらに背後に船客が身を寄せ合うという、非常に立体的な画作りになっています。
この船渡しの場面はロケで撮られています。するとカットが変わって、明らかにセットで組まれたと分かる野道の場面になります。子供を肩車した中村錦之助と池内淳子が歩きながら、中村錦之助は故郷について語ります。このとき背景は明らかなホリゾントになっています。
ホリゾントにはわざとらしく青空が描かれていて(縮尺もちょっと狂っているように思える)、画面の平面性が際立つようになっています。

映画のラスト、喧嘩の助太刀を終えたで中村錦之助が池内淳子の待つ宿に帰ってきます。このとき池内淳子は2階に位置しており、中村錦之助は2階に続く階段を登りかけたところで彼女の死を知らされます。上階に置かれたカメラは、階段の中途にひしめく中村錦之助と宿屋の主人とその妻を捉えます。立体的な構図の中に人がギュッと詰め込まれたような印象です。
すると次のカットで2階になります。劇的な変調がそこで起こります。墨をうったように真黒な背景の中に中村錦之助と床に伏した池内淳子が浮かび上がります。このときの唖然とする中村錦之助の表情が忘れ難いです。

立体的から平面的にショットが切り替わり、その平面的構図に男と女を収めることによって、彼と彼女の二人だけの世界がより際立つようになっているように思えました。

テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

【2010/06/20 19:46 】 | 日本映画 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
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