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『2007年12月27日』 安川有果監督 第1回監督作
シネマドライブ2010にて鑑賞。安川有果監督の初作品だそうな。

映画の冒頭、一人の女子学生秋枝友子が教室に残って自習を続けている。
まず机に向かってスケッチか何かをしている彼女の様子が、固定カメラのフルショットで収められる。彼女の背後をクラスメートがさよならの挨拶して通り過ぎる。

と、次のショットでカメラは引きの画になり、広い教室の中で秋枝友子がたった一人で居残っていることが示される。彼女の孤独感が際立つ。
またカメラは秋枝友子のフルショットに戻る。彼女は荷物を片付けて、席を立ち教室を出る。
ここでカメラがぐいっと右にパンして、教室のドアを開ける秋枝友子の姿を追いかける。教室から出る描写を固定カメラのまま撮影していたら秋枝友子は画面からフレームアウトすることになり、殺風景や虚無感が強調されたことだろう。が、そうはしない。『2007年12月27日』という映画は、あくまでも彼女に寄り添うことにより進行してゆくのだ、という決意表明がこのカメラのパンの動きから読み取れる。

以後、カメラは秋枝友子にそっと寄り添って、彼女の日常を淡々と収めてゆく。
一人で待ち合わせ場所に行く。仕事で来れない、と彼氏からメールが入る。
家に帰ったら、台所に洗っていない食器が散乱しているので一人で洗う、コンビニで買ってきたスパゲティをテレビを観ながら一人で食べる。自室の机に向かってスケッチをする。たまに携帯電話にメールが入る。
遠くの方から聞こえてくる電車の音、時計の秒針が刻むカツカツした音が彼女の孤独を際立たせる。やがて煙草が切れたことに気づき、家を出て自販機まで買いにゆく。

というように、『2007年12月27日』では、秋枝友子はずっと一人であることが強調づけられている。彼女の孤独ぶりを描くことが、この映画の主題なのだろうか。いや、それだけではないと、私は考える。
煙草の自販機の前で、秋枝友子は先輩女性とばったり出会う。ここでの秋枝友子と先輩女性のやりとりの会話場面こそが、安川有果監督の真骨頂だ。

先輩女性「最近調子はどうですか」
秋枝友子「いや~ボチボチですよ」

・・・とか言う、秋枝友子の受け答えの様子にに妙なものを感じる。上手く言えないのだが、自分の領分はきっちりと守る、みたいな彼女の矜持を私は感じてしまう。相手を寄せ付けない、というわけではないのですが、どこかよそよそしさみたいなものも、ちょっとだけ感じる。

第二作目の『幸恵』もそうであったように、秋枝友子は孤独に寄り添って生きている。
そのことを他人に媚びたりもしないし、弱い自分を誰かに見て欲しいとも思わない。すべてはあるがまま。
諦めているわけではない。絶望しているわけでもない。運命を受け入れているわけでもない。がしかし、こうなってしまったことを受け入れる度量は持っているつもり。
世界は私が居なくても成り立っている。夕焼空は特に美しい。
静かにひとり、何かが起こることを待っている。

何かそんな感じです。上手く言えませんが。

テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

【2010/04/08 22:47 】 | 自主映画 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
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