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『キック・アス』
ヒットガールの女の子は殺意を発散している
hg.jpg『キック・アス』を神戸での初日に観るべくOSミント神戸の20時20分の回に観に行ったら、お客さんが80人近く詰めかけていました。いつもはレイトショーは5、6人しか人がいないのに。口コミの力って、やっぱあるんだね。
『キック・アス』を観ていて泣いてしまった。夕日のガンマンのメロディが流れて、ドアのガラスの向こう越しに、学生服姿の女の子が見える。それだけで十分に泣ける。待ち受ける敵陣に単身殴り込み、という映画の王道パターンをラストにもってくるのは、やっぱり観ていて燃えてくる展開です。
 11歳の女の子が大の男どもをバッタバッタとなぎ倒す。そりゃ面白いに決まっているでしょ、盛り上がるに決まってるでしょ。反則じゃないですか。
 風がピューっと吹いてヒットガールの紫色の髪を舞いあげる。「I'm Hit Girl.」・・・かっこ良過ぎです。

『キック・アス』を観たら『キル・ビル』が弛緩して観えるかも。あのユマ・サーマンのアクションがね。タランティーノも好きですが。『キック・アス』は昔のアメリカ映画のテクニカラーのような濃い目の画調。鮮やかな色彩の画面が埋め尽くされています。常識的には考えられない配色です。学校の机の色は緑色だし、最初にキックアスが戦う場面で喫茶店の壁の色が緑色に塗りつくされている。男の子の部屋の壁が紫色に塗られている。よくみると配色がそれぞれのキャラクターに呼応しているようだ。悪役の配色の基調は赤色であるらしく、朝食のテーブルには真っ赤なリンゴとチューリップが積み上げられている。

 ヒット・ガールが最初にアクションを見せる場面。彼女の登場の仕方のタイミングが絶妙。未知のキャラクターが突然現れるタイミングは、こうあるべきだ。最初何が起こったのか僕もと思った。彼女のアクションには狂気も孕んでいる。結構スプラッタな味付けもあり、殺意に満ちたアクションでした。でも、いくらヒーローだからって、こうも次から次に人を殺して、どうして警察に捕まらないのだろう?ヒットガールの殺戮描写を、残酷な殺人ショーと見るか、巫女さんの舞いのようなものと見るべきか。
 これだけ観客が集まっているにも関わらず、何故か場内はシーンとしている。ポカ~ンとスクリーンで繰り広げられる光景に見とれている感じだ。木材工場での、隠しカメラで撮られた殺戮場面の光景に、悪のボス達が見入ってしまうのと同じようなことが起こったのかもしれない。
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【2011/01/30 23:03 】 | アメリカ映画 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
『ノルウェイの森』 トラン・アン・ユン監督
とっても面白かったんですけど。noruway.jpg
『ノルウェイの森』を観ました。観る前に、色々な御方から本作への不評を聞いていたので、鑑賞前からハードルが下がりまくった状態でした。しかし、いやぁかなり面白かったですよ。私は満足しました。トラン・アン・ユン監督の映画を観るのは今回が初めてですし、そもそも、私は村上春樹を呼んだことがないので、検討はずれのことを言っているかもしれませんが。
 松山ケンイチと菊池凛子の実年齢よりも5歳ほど年下に若作りした姿と、体温を感じさせない冷たい口調の棒読みセリフが、映画に不思議な磁場を呼び込んでいるように思えた。最初、なんだこれは?と当惑しながら観ていたのですが・・・面白く思えてきたのでした。
『ノルウェイの森』での、役者をまるで人造人間のごとき扱いは何なんだろう。
 役者さんに自由に演じてもらうことで個性を引き出すのではなく、口調や表情をある種の”型”にはめてしまうことによって、却って役者の個性が際立っているように思います。こんなやりかたを徹底して、とことんやて突き抜けると、人間の凄みが伝わってくる場合が稀にあるように思えます。ひょっとしたら『UNLOVED』(万田邦敏)や『夜光』(桝井孝則)でもこのような現象は起こっている・・・のでしょうか。ちょっと違うかもしれないけど、小津安二郎やストローブユイレもそんなところがあるかしら。

 映画全体で電話が重要な役割を果たしているように思えます。松山ケンイチが電話で喋るうちに、相手との距離感を喪失してゆくような感じがして、ラストに「僕はどこに居るんだろう?」ということになるのでしょうか。

それと、菊池凛子のチック症のようなキョロキョロとした眼球の動きが気になって仕方なかったです。

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【2011/01/18 22:59 】 | 日本映画 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
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